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用語の解説
「長期的ゆっくりすべり」、「短期的ゆっくりすべり」、「深部低周波地震(微動)」

「長期的ゆっくりすべり」は、沈み込むフィリピン海プレートと陸のプレートとの境界のうち、プレート境界の固着が強いと考えられている領域より深い場所(深さ20~30 km)が数ヶ月から数年間かけて継続的にゆっくりとすべる現象で、数年から十年程度の間隔で繰り返し発生していると考えられています。 これによって生じる地殻変動は、周辺のGNSS等で観測されます。南海トラフ周辺では、東海地域、紀伊水道、豊後水道などで観測されています。

「短期的ゆっくりすべり」は、「長期的ゆっくりすべり」が発生する領域より深い場所(深さ約30~40 km)のプレート境界が、数日~1週間程度かけてゆっくりとすべる現象で、数ヶ月から1年程度の間隔で繰り返し発生しています。これによって生じる地殻変動が、東海地域、紀伊半島、四国地方に設置され たひずみ計等によって観測されます。また、「短期的ゆっくりすべり」の発生とほぼ同じ時期に、そのすべり領域とほぼ同じ場所を震央とする「深部低周波地震(微動)」と呼ばれる、通常の地震より長周期の波が卓越する地震が観測され(P波やS波が明瞭でなく震動が継続するものは「微動」と呼ばれる)、これは「短期的ゆっく りすべり」に密接に関連する現象とみられています。なお、同じ「短期的ゆっくりすべり」を反映した現象でも、地殻変動と地震(微動)では観測・解析の手法や検知能力が違うため、観測される期間は完全には一致しない場合があります。

これらの現象は、プレート境界の固着状況の変化を示す現象と考えられることから、気象庁は、関係機関の協力も得ながら注意深く監視しています。

平面図
断面図
説明

想定震源域、深部低周波地震(微動)、長期的ゆっくりすべり、短期的ゆっくりすべりの発生領域

 
* Kobayashi, A., 2014: A long-term slow slip event from 1996 to 1997 in the Kii Channel, Japan, Earth, Planets and Space, 66:9, DOI: 10.1186/1880-5981-66-9.


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