松代地震観測所の地震計

 松代地震観測所は、本州中央部の内陸に位置しているため、波浪によって発生するノイズが小さく、さらに、地震計を設置している地下坑道は人為的なノイズが少なく、年間を通して気温が一定であるため、精密機器である地震計を設置するのに適した環境となっています。
 このため、開設当初から、様々な地震計によって観測が行われてきました。現在でも、当所が設置している地震計以外に、国際的な地震計ネットワークの日本の1観測点として地震計が設置されているほか、調査研究のため、他機関の機器による観測もおこなわれています。
群列地震観測システムの地震計
     群列地震観測システムは、松代周辺の直径約10kmの円周上及び、円の中心付近に設置された複数の地震計のデータを使って震源を決定するシステムです。システムの概要については、「群列地震観測システム」をご覧ください。
  • 大坑道内に設置された地震計
  • 大坑道地震計室写真   大坑道地震計室写真
    大坑道に設置された地震計
     手前の地震計台には短周期の地震計が設置されており、主に国内で発生する地震の観測に用いられています。また、奥の地震計台には、長周期の地震計が設置されており、こちらは主に海外で発生する地震の観測に用いられています。
  • 松代以外の場所に設置された地震計
  • 和平地震計写真
    和平観測点
    中尾根地震計写真
    中尾根観測点
     松代以外には、滝本、菅平、大良、入軽井沢、和平、地蔵、中尾根の7地点に短周期の地震計が設置されています。これらの地震計は、地表のノイズを避けるため、地下40~70mに埋設されています。
    IRISの地震計
    大坑道IRIS室写真1
    IRISによって設置されている大坑道の地震計
     大坑道には、世界的な地震計ネットワークを運用しているIRISの日本の1観測点として地震計が設置されています。写真奥のガラス容器に入った3つの地震計はSTS1地震計で、それぞれ、上下成分、南北成分、東西成分の地震波を観測しています。一方、手前の緑色のカバーで覆われている地震計はSTS2地震計で、1つの測器で3成分を観測しています。どちらの地震計も、幅広い帯域の地震波を観測することができます。