地震防災対策強化地域判定会会長会見
気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催しています。本資料は本日開催した判定会で評価した、主に前回(平成27年8月31日)以降の調査結果を取りまとめたものです。次回は10月19日を予定しています。
なお、下記調査結果は本日17時00分に「東海地震に関連する調査情報(定例)」として発表しています。
報道発表日
平成27年9月28日
概要
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。
本文
最近の東海地域とその周辺の地殻活動
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。
1.地震の観測状況
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度の低い状態が続いています。
8月24日から29日にかけて、長野県南部でプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています。
2.地殻変動の観測状況
GNSS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向は継続しています。
平成25年はじめ頃から静岡県西部から愛知県東部にかけてのGNSS観測及びひずみ観測にみられている通常とは異なる変化は、現在も継続しています。
また、8月24日から25日にかけて、静岡県及び長野県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しました。
3.地殻活動の評価
平成25年はじめ頃から観測されている通常とは異なる地殻変動は、浜名湖付近のプレート境界において発生している「長期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しており、現在も継続しています。
そのほかに東海地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られていません。
一方、上記の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、長野県南部の想定震源域より深いプレート境界において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
以上のように、現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測していません。
なお、GNSS観測の結果によると「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による余効変動が、小さくなりつつありますが東海地方においてもみられています。
問い合わせ先
地震火山部地震予知情報課
電話:03-3212-8341(内線4576)
関連資料
- 1.調査結果及び添付資料[PDF形式:5.9MB]
- 2.気象庁資料[PDF形式:7.9MB]
[添付の説明資料は、気象庁、国土地理院の資料から作成。
気象庁資料の作成に当たっては、気象庁のほか防災科学技術研究所、産業技術総合研究所、東京大学、名古屋大学等のデータを使用。]