地震防災対策強化地域判定会会長会見

 気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催しています。本資料は本日開催した判定会で評価した、主に前回(7月25日)以降の調査結果を取りまとめたものです。

報道発表日

平成23年8月31日

概要

 8月1日に駿河湾でマグニチュード(M)6.2、12日に遠州灘でM5.2の地震が発生しました。いずれも、東海地震の想定震源域もしくはその周辺で発生した地震でしたが、その後、現在まで、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていません。

本文

最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動

 8月1日に駿河湾でマグニチュード(M)6.2、12日に遠州灘でM5.2の地震が発生しました。いずれも、東海地震の想定震源域もしくはその周辺で発生した地震でしたが、その後、現在まで、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていません。

1.地震活動の状況
 8月1日に駿河湾の深さ23kmを震源とするM6.2の地震が発生しました。この地震は南北方向に圧力軸を持つ逆断層型の地震で、フィリピン海プレート内で発生した地震です。余震の回数は次第に減少しています。
 また、8月12日に遠州灘の深さ15kmを震源とするM5.2の地震が発生しました。この地震は北西・南東方向に圧力軸を持つ逆断層型の地震で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近で発生した地震と考えられます。この地震の余震活動は低調で、8月17日以降は観測されていません。
 これらの地震発生前後で地震活動が変化した地域はみられません。
 静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
 浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
 その他の領域では概ね平常レベルです。
 なお、愛知県から長野県南部のプレート境界付近で7月23日から8月1日にかけてと8月21日から22日にかけて深部低周波地震が観測されました。この付近では昨年11月に深部低周波地震がまとまって観測されています。

2.地殻変動の状況
 8月1日と12日の地震では、東海地域のひずみ計の一部で地震発生に伴うステップ状の変化が観測されましたが、その後、特異な変化はみられませんでした。
 GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向は継続しています。更に、傾斜計、ひずみ計等の観測結果を含めて総合的に判断すると、東海地震の想定震源域及びその周辺におけるフィリピン海プレートと陸のプレートとの固着状況の特段の変化を示すようなデータは、現在のところ得られていません。
 なお、上記の深部低周波地震活動と同期して、愛知県のプレート境界付近に生じた「短期的ゆっくりすべり」に起因するとみられる地殻変動が、7月26日から8月1日にかけてと8月20日から22日にかけて、周辺のひずみ計で観測されました。このような地殻変動が観測されたのは昨年11月以来です。
 また、GPS観測の結果によると、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による余効変動が東海地域においてもみられています。



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問い合わせ先

地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576

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