地震防災対策強化地域判定会会長会見(定例)
気象庁では、いつ発生してもおかしくない状態にある「東海地震」を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会を毎月開催しています。本資料は本日開催した打合せ会における委員の意見提供等を受けて、現在の状況を取りまとめたものです。
報道発表日
平成21年12月21日
概要
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
本文
第284回地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会記者説明コメント
最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
12月10日に静岡県西部の地殻内で、震度1以上の地震が4回発生しました(00時35分M3.0、最大震度1、05時06分M2.4、最大震度1、05時55分M3.7、最大震度3、06時00分M3.3、最大震度2)。これらの地震の前後で歪計による変化は観測されていません。今回の震源付近では、2007年11月中旬から2008年2月上旬にかけて活発な地震活動があり、震度3から1の地震が30回発生しました(最大の地震は2008年1月27日に発生したM4.2、最大震度3)。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
その他の領域では概ね平常レベルです。
なお、伊豆半島東方沖で、12月17日から地震活動が活発化し、12月17日にM5.0、12月18日にM5.1の地震が発生しました。地震活動は、12月20日以降低下しています。
2.地殻変動の状況
全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
なお、伊豆半島東方沖の地震活動に関連して、伊豆半島東部のGPS、歪計、傾斜計、地下水位等で、変化が観測されました。
問い合わせ先
地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576
関連資料
- 1.記者説明コメント及び添付資料[PDF形式:2.3MB]
- 2.気象庁資料[PDF形式:3.3MB]
- 3.国土地理院資料[PDF形式:635KB]
[地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会では、気象庁のほか国土地理院、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所の資料を用いて議論が行われています。また、気象庁の地震活動資料には、防災科学技術研究所や大学等関係機関のデータも使われています。]