地震防災対策強化地域判定会会長会見(定例)
報道発表日
平成15年4月28日
概要
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
本文
第207回地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会記者説明コメント
最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
地震活動は、浜名湖直下での活動に低下が見られますが、全体としては、落ち着いた状況にあります。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺に見られる長期的な地殻変動は、最近では2001年に比べてやや小さいように見えるものの、依然継続しています。 なお、気象庁の三ケ日観測点の体積歪データに4月8日20時頃から通常とは異なる変化が現れ、翌9日07時頃から変化が一時的に加速しました。その後、変化は加速と減速を数回にわたって繰り返しましたが、17日頃から落ち着き、現在、一連の変化が発生する前の傾向に戻っています。この歪変化は、プレート境界のすべりによるものではなく、歪計ごく近傍の地盤のずれや地下水の移動など何らかの局所的原因によって引き起こされたものと考えられます。
(解説)
今回の打合せ会の結論としては、まず1行目に示したように「東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていない」ということです。
次の段落は地震活動についてのコメントです。浜名湖直下での活動低下という変化が観測されていますが、全体としては落ち着いた状況にあります。
第3の段落は地殻変動についてのコメントです。2001年の春頃から国土地理院のGPS観測網によって観測されているプレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺に見られる長期的な地殻変動は依然継続していますが、最近1年間では2001年1年間に比べるとやや小さいように見えるとのことです。
最後の段落は、気象庁の三ケ日観測点の体積歪データの変化についてのコメントです。その経緯および原因の検討結果等について気象庁から報告し、議論・検討を行いました。
以上のように現在のところ、直ちに東海地震に結びつくような変化は観測されていませんが、気象庁では今後とも注意深く監視を続けて行きます。
問い合わせ先
地震火山部 地震予知情報課
電話:03-3212-8341 (内線)4576
関連資料
- 1.地震活動に関する資料[PDF形式:468KB]
- 2.地殻変動に関する資料[PDF形式:228KB]
[地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会では、気象庁のほか国土地理院、独立行政法人防災科学技術研究所、独立行政法人産業技術総合研究所の資料を用いて議論が行われています。また、気象庁の地震活動資料には、防災科学技術研究所や大学等関係機関のデータも使われています。]