固有周期と建物の関係について

 建物には固有周期があり、地震の波にその建物の固有周期の揺れが多く含まれると、揺れが大きくなったり、揺れがなかなか収まらず、長く揺れ続けることがあります。このため、建物ごとの揺れの大きさを知るには、固有周期に合わせた周期別階級が役立ちます。
 ビルごとの固有周期は、建物設計の際に行われる構造計算等により明らかになっている場合があり、管理者の方に問い合わせていただくと知ることができる場合があります。
 固有周期が分からない場合などに固有周期を推定する方法としては、ビルの高さと固有周期には図1のような関係があるため、推定値の幅は広いものの、この関係を用いる方法があります。
※図1に記述されている階数は、建物のどの階にいらっしゃるかではなく、建物そのものの階数を表したものになります。


高層建物の固有周期と建物高さ・階数との関係

図1 高層建物の固有周期と建物高さ・階数との関係

 (地震調査研究推進本部,2016,長周期地震動評価2016年試作版—相模トラフ巨大地震の検討—より)


 長周期地震動の観測結果の観測点詳細のページでは、観測点ごとの「長周期地震動の周期別階級」についても発表しています(図2)。


観測点詳細ページにおける長周期地震動の周期別階級の表示箇所

図2 観測点詳細ページにおける長周期地震動の周期別階級の表示箇所


 最寄りの観測点で、ある周期の周期別階級が大きい場合は、該当する固有周期をもつビルは特に大きく揺れて、被害が大きくなっている場合があります。長周期地震動の周期別階級についても、是非参考にしてください。なお、同じ建物の中でも、階数によって揺れの大きさが異なりますので、ご留意ください(一般的に低層階よりも高層階の方が揺れが大きくなる傾向がみられます)。



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