災害をもたらした気象事例

平成15年夏の低温と日照不足
平成15年(2003年) 4月~9月
春以来の日照不足と夏の低温
災害概要
農作物被害3,938億円
算出期間:5月中旬以降
被害地域:北海道~九州地方
(農林水産省統計部資料)
概要
 4月から8月にかけて九州地方~関東甲信地方を中心に寡照傾向が続いた。北日本の寡照傾向は9月も続いた。また、6月下旬から7月末にかけてと8月中旬を中心に北日本~西日本で顕著な低温が続いた。
 4月は低気圧や前線が短い周期で日本付近を通過し、全国的に曇雨天の日が多かった。5月は中・下旬、東日本の太平洋側や西日本で低気圧や前線の影響により曇雨天の日が多かった。6月は中・下旬、梅雨前線が本州南岸に停滞し、西日本を中心に曇雨天の日が多かった。6月末にオホーツク海高気圧が現れ7月末まで持続した。7月は梅雨前線が7月末まで日本付近に停滞したため、北日本・東日本の太平洋側を中心に冷涼な曇雨天が多かった。全般に梅雨前線の活動は活発で、大雨による災害が発生した。九州地方~関東甲信・北陸地方各地の梅雨明けは平年に比べて大きく遅れ、東北地方では梅雨明けを特定できなかった。8月は月を通して日本付近に前線が停滞することが多く、九州地方~北海道で曇雨天の日が多かった。全般に活動が活発な前線と大型で強い台風第10号の影響により四国地方~関東甲信地方を中心に多雨になった。中旬にはオホーツク海高気圧が現れ、北日本~西日本で低温が顕著になった。9月は北日本で前線や低気圧の影響を受けることが多く、曇雨天の日が多かった。 一方、南西諸島では7~8月、太平洋高気圧に覆われて高温・少雨が持続した。
 この低温・寡照により北海道、東北地方太平洋側~東海地方を中心に水陸稲、雑穀・豆類、野菜、果樹、飼肥料作物などの農作物に大きな被害が発生した。水稲作柄は、特に7月中・下旬および8月中旬の低温・日照不足、北日本は加えて9月中旬以降の低温が大きく影響し、作況指数は全国平均で90となった。
経過図(仙台) 夏季平均気温平年差図
期間内での観測値
気象官署での観測値
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