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台風第14号、前線  平成17年(2005年)9月3日~9月8日


九州・四国・中国地方で長時間にわたる暴風雨、高波。
4日夜、東京都と埼玉県で局地的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨。


災害状況

死者28名、行方不明者1名、負傷者177名
住家全壊1,217棟、半壊3,896棟、一部損壊3,142棟
床上浸水3,551棟、床下浸水9,656棟など
(消防白書より)

概要

 8月29日21時にマリアナ諸島近海で発生した台風第14号は、西に進みながら大型で非常に強い勢力に発達し、沖の鳥島から日本の南海上を北北西に進んだ。 9月4日には大東島地方や奄美地方が風速25メートル以上の暴風雨域に入った。
 台風は進路を次第に北寄りに変えて九州の南海上に接近、広い暴風域を維持したまま九州地方の西岸に沿って北上し,6日14時過ぎに長崎県諫早市付近に上陸した。 台風はその後九州地方北部を通過し、6日夜には山陰沖に抜け、速度を速めながら日本海を北東に進んだ。7日夜に北海道檜山支庁せたな町に再上陸した後、北海道北部を通過し、8日朝にオホーツク海に抜けた。
 この台風は、大東島地方に接近してから山陰沖に抜けるまで広い暴風域を維持したまま、比較的ゆっくりした速度で進んだため、長時間にわたって暴風、高波、大雨が続いた。 九州、中国、四国地方の各地で3日から8日までの総雨量が、9月の月間平均雨量の2倍を超え、宮崎県では1,000mmを超えた 。宮崎県南郷村神門(ミカド)では1,322mm(月間平均雨量比2.9倍)、同県えびの市で1,307mm(同2.8倍)、鹿児島県肝属郡肝属町肝属前田で956mm(同3.2倍)などとなった。 また、九州、中国、四国の各地方と北海道の62地点ではこれまでの日雨量の記録を更新した。また、台風の接近・上陸に伴い各地で暴風、高波になった。 4日には南大東島で最大瞬間風速55.6m/s、6日には種子島で同59.2m/s、屋久島で同58.1m/sが観測された。
 この台風により、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県を中心に九州地方~東北地方で土砂災害、大雨による浸水が発生した。 また、岡山県、広島県、香川県では高潮による床上・床下浸水が発生した。人的被害は宮崎県を中心に全国で死者・行方不明者が29人となった。
 台風が日本の南海上にあった3日から4日にかけて、台風から本州上に停滞する秋雨前線に向かって暖かく湿った空気が流入した。 3日には鳥取県、京都府、新潟県、福島県で1時間に60mm前後の非常に激しい雨が降り、鳥取県では日雨量が100mmを超える大雨になった。 4日夕方から5日未明にかけて、東京都、埼玉県、神奈川県で大気の状態が不安定になり雨雲が急速に発達し、東京都と埼玉県では局地的に1時間に100mmを超える猛烈な雨が降った。 この期間の降水量は、東京都が設置した雨量計のデータでは杉並区下井草で264mm、同久我山で240mm、練馬区上石神井で240mmなどとなった。

気象状況

それぞれの図に、マウスを合わせてクリックすると、大きく表示されます。

 台風経路図

台風第14号
台風経路図

 降水量の合計(9月3日~9月8日)

降水量の合計

 東京都、埼玉県、神奈川県の降水量(9月4日1時~9月5日9時)

降水量の合計(mm)
降水量の合計

 最大風速と最大瞬間風速(9月3日~9月8日)

期間内最大風速
期間内最大瞬間風速

 波浪と高潮

沿岸波浪計での観測値  波浪観測表、波浪図
検潮所での観測値     高潮観測表

問い合わせ先

気象庁観測部計画課情報管理室 電話 03-3212-8341(内線 4154, 4157)


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