RGB合成画像とは

RGB合成画像は、光の三原色の性質を利用し、カラー表示する技術を用いています。3種類の衛星画像に、光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)をそれぞれ割り当て、加法混色の色表現(色演算)で、抽出対象の雲域や黄砂などの各種現象を表現する方法です。つまり、3種類の衛星画像の特徴が、1つのカラーの衛星画像として表現されるため、衛星画像の解析に不慣れな利用者でも、わかり易く、活用し易い画像となっています。また、雲域の形状や雲頂のキメなどの様子も、そのまま取り込まれた画像となるため、従来の解析に慣れた利用者にとっても、馴染み易い画像となっています。なお、光の三原色に割り当てる画像に差分画像を用いることで、複数枚にわたる画像情報を1つの画像にまとめることもできます。

ところで、このRGB合成画像は、ただ単に指定された画像を指定された色に割り当てて合成するだけでは不充分で、目的の雲域や現象を抽出するためには、画像の階調幅の設定や階調の直線性を制御するガンマ値の設定が重要となります。ここで示したRGB合成画像は、EUMETSATが作成・提案してWMOが推奨している標準値に基づき作成していますが、EUMETSATのMSG衛星とひまわり8号とは画像センサーの特性などが微妙に異なるため、作成されるRGB画像にも影響が現れ、その色合いがEMETSATの色見本とは多少異なるので、この点に留意が必要です。

光の三原色 図1 光の三原色