画像特性(バンド6)

バンド5、6は雲(雲頂)の粒子の相(液体・固体)によって反射率が異なります。

図1は、バンド6とバンド3における雲(水滴および氷晶)の光学的厚さ(τ)および有効半径(reff)の違いに伴って大気上端(TOA)反射率がどう変化するかを示します。 バンド3とバンド6のどちらのバンドも光学的厚さが大きいほど反射率が大きいことのほか、バンド 6(ここでは 2.25μm)反射率は粒径の大きさに依存し、粒径が小さいほど反射率は高くなることがわかります。また、バンド6では光学的厚さが増すにつれ、粒径が同じであれば水滴よりも氷晶の場合のほうが高い反射率になる傾向にあります。

実際の雲画像を見ると(図2)、厚い雲域にある氷晶からなる上層雲(図中赤い楕円内付近)においてバンド3で明るく反射している領域がバンド6画像では反射率が低く暗い領域として表示されていますが、これはバンド6の反射率は雲粒子の相だけでなく雲粒子の粒径にも依存する(この場合は粒径が大きい)ためであり、バンド6画像単独で雲粒子の状態を見極めることは困難です。

図1 雲(水滴及び氷晶)の光学的厚さ(τ)および有効半径(reff)とバンド6とバンド3のそれぞれの大気上端(TOA)反射率との関係。
図2 バンド6(上)とバンド3(下)画像における上層雲の見え方の比較。