日本近海の海流(月概況)

平成30年3月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2018年2月)

  • 黒潮は、大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して、沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬では、上旬は接岸、中旬、下旬は離岸して流れていました。足摺岬では、上旬、中旬は接岸、下旬は離岸して流れていました。室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31.5度、東経137度付近、中旬は北緯31度、東経137.5度付近、下旬は北緯30.5度、東経137.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、上旬は三宅島付近、中旬は八丈島の南、下旬は三宅島と八丈島の間を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄り分枝の南限位置は、上旬は北緯40度、東経144.5度付近、中旬、下旬は北緯39.5度、東経144.5度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯40.5度、東経147.5度付近、中旬は北緯40度、東経146.5度付近、下旬は北緯39.5度、東経146度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して、平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して、平年より弱くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2018年2月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2018年2月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2018年2月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.8度、南東 北緯29.8度、南東 北緯29.6度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経137度 北緯31度、東経137.5度 北緯30.5度、東経137.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 八丈島の南 三宅島と八丈島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 離岸
その他の顕著な現象 南大東島の北西では、暖水域が上旬に北緯26.5度、東経130度付近にみられた
先島諸島の南では、暖水渦が上旬に北緯23.5度、東経125.5度付近に、暖水域が中旬に北緯24度、東経125.5度付近にみられた
沖縄本島の南では、暖水渦が上旬と中旬に北緯24度、東経128.5度付近に、下旬に北緯24.5度、東経128.5度付近にみられた
種子島の南東では、冷水渦が上旬に北緯30度、東経131.5度付近にみられた
遠州灘では、暖水域が上旬と中旬にみられた
東海沖では、冷水渦が上旬と中旬に北緯32.5度、東経137度付近、下旬に北緯32.5度、東経137.5度付近にみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2018年2月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経144.5度付近(図中A) 北緯39.5度、東経144.5度付近 北緯39.5度、東経144.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経147.5度付近(図中B) 北緯40度、東経146.5度付近 北緯39.5度、東経146度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より東) 東経142度付近(平年並) 東経142.5度付近(平年より東)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経143.5度付近)(図中D) 北緯35.5度付近(平年より南)(経度は東経142度付近) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経146度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖では、暖水域が上旬に北緯41.5度、東経146.5度付近、中旬に北緯42.5度、東経146.5度付近と北緯40.5度、東経145.5度付近、下旬に北緯42.5度、東経146.5度付近と北緯40.5度、東経145.5度付近にみられた
三陸沖では、暖水渦が上旬に本州東方の北緯38度、東経146.5度付近、中旬に三陸沖の北緯39度、東経143度付近、下旬に三陸沖の北緯38.5度、東経143.5度付近にみられた
本州東方では、暖水渦が上旬に北緯38度、東経146.5度付近、中旬と下旬に北緯38度、東経145.5度付近にみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、北緯36.5度、東経133度付近から東南東に流れ、山陰沖東部の北緯36度、東経135度付近から若狭湾沖を北東に流れていた
北緯37度、東経136度付近から北に流れ、北緯39度付近から東に流れ、佐渡沖の東経138.5度付近から北に流れていた
秋田沖の北緯40度、東経138.5度付近から北東に流れて津軽海峡に達していた
檜山沖には、北に向かう流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より弱い 平年より弱い 平年より弱い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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