日本近海の海面水温(月概況)

平成28年6月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年5月)

  • 三陸沖から釧路沖、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 常磐沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。
  • 沖縄の南、日本の南の北緯30度以南、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。
  • 日本海では、中部の東経135度以西では海面水温が平年より低くなっていましたが、その他の海域ではおおむね平年より高くなっていました(図中D)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年5月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年5月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

三陸沖から釧路沖、本州東方では、暖水渦や下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。これらの海域では、5月下旬に、平年より風が弱く、日射量が多かったこともあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

常磐沖では、下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。

沖縄の南、日本の南の北緯30度以南、父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。これは、4月下旬に海面水温が平年よりかなり高い海域がみられたことに加え、5月上旬に平年より風が弱く、日射量が多かった影響と考えられます。

日本海では、4月に引き続き、中部の東経135度以西では海面水温が平年より低くなっていましたが、その他の海域ではおおむね平年より高くなっていました(図中D)。秋田沖、檜山・津軽沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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