日本近海の海面水温（月概況）

平成28年5月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年4月)

  • 三陸沖から釧路沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 常磐沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。
  • 沖縄の南、日本の南の北緯30度以南(図中C)と、父島近海(図中D)では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました。
  • 日本海では、3月に引き続き、中部の東経135度以西では海面水温が平年より低くなっていましたが、その他の海域では平年より高く(図中E)、東経135度以東では平年よりかなり高い海域もみられました。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2016年4月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2016年4月）

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

三陸沖から釧路沖では、暖水渦の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。

常磐沖では、下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低くなっていました(図中B)。

沖縄の南、日本の南の北緯30度以南では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。この海域では、4月上旬に平年より日射量が多く、風が弱かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小し、4月中旬に暖かく湿った空気が流れ込んだため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

父島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。この海域では、4月下旬に暖かく湿った空気におおわれたため、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。

日本海では、3月に引き続き、中部の東経135度以西では海面水温が平年より低くなっていましたが、その他の海域では平年より高く(図中E)、東経135度以東では平年よりかなり高い海域もみられました。

海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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