日本近海の海流(月概況)

平成25年4月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年3月)

  • 黒潮は、3月上旬および下旬は沖縄の北西170km付近を、中旬は180㎞付近を北東に流れていました。都井岬では3月を通して離岸して流れていました。足摺岬では、3月を通して、おおむね離岸して流れていました。潮岬では3月上旬・下旬は接岸して流れ、中旬は離岸して流れました。伊豆諸島付近では、3月上旬は三宅島の南を流れ、中旬および下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は3月上旬は分枝構造がみられず、北緯38度・東経142.5度付近(図中A)にありました。中旬以降は親潮の分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は、中旬は北緯37.5度・東経142.5度付近、下旬は北緯38.5度・東経142度付近にありました。親潮の沖合の分枝の南限位置は、3月中旬は北緯39.5度・東経145.5度付近(図中B)、下旬は北緯39度・東経145.5度付近にありました。親潮の面積は、3月を通して平年より大きい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、3月上旬は平年より弱く、中旬以降は平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年3月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年3月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年3月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 180km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度/南東 北緯30.2度/南東 北緯29.4度/東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 一時接岸 一時接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33.6度、東経138.4度 なし なし
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島の南 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 特になし

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年3月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯38度、東経142.5度付近(図中A) 北緯37.5度、東経142.5度付近 北緯38.5度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし 北緯39.5度、東経145.5度付近(図中B) 北緯39度、東経145.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 みられず みられず みられず
親潮の面積(※4 平年より大きい 平年より大きい 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年並) 東経142度付近(平年並) 東経142度付近(平年並)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年より北)(図中C) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中C) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中C)
その他の日本の東の海流 3月を通して、釧路沖の北緯41.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられた(図中D)。
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖東部の東経134度付近で北に、佐渡沖では北東に、男鹿半島の北西では北へ向かう流れがそれぞれみられた。また、朝鮮半島の東、山陰東部の北の暖水の張り出し(図中E)に沿って、それぞれ右回りの流れがみられた。
対馬暖流の勢力(※7 平年より弱い 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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