キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。

総合診断表をご覧になる前に

平成25年12月20日

総合診断表では、多くの方にご利用いただけるように、各節を統一した構成で記述し、可能な限り専門用語の使用を避け、使用する場合にも本文や付録に説明を付した。
ここでは、診断の分野、各節の構成、並びに総合診断表全体を通じて重要なキーワードについて解説する。 

1 診断の分野

「総合診断表」は、地球環境問題の視点から海洋の現象を捉え、「地球温暖化に関わる海洋の長期変化」、「気候に関連する海洋の変動」、「北西太平洋の海洋汚染の状況」の三つの章を設けている。また、各現象ごとの診断の要約を本診断表の冒頭にまとめて記述する。なお、これらの章に関わりの深い最近の研究成果や技術動向をコラムに記述している。

(1)地球温暖化に関わる海洋の長期変化(第1章)

第1章のテーマは、地球環境問題で最も深刻な地球温暖化により海洋がどのように変化しているかを明らかにすることである。1.1節から1.3節では、海水温(1.1節)、海面水位(1.2節)、海氷(1.3節)の変化を診断する。また、1.4節では、地球温暖化の主な原因とされる二酸化炭素について診断する。

(2)気候に関連する海洋の変動(第2章)

第2章のテーマは、数か月から十年規模で海洋がどのように変動しているか、さらには海洋が気候にどのように関わっているのか明らかにすることである。2.1節では、北太平洋に着目し、海面水温・表層水温(2.1.1節)、表層水塊と呼ばれる海水の変動(2.1.2節)について診断する。2.2節では、日本近海に着目し、海面水温(2.2.1節)、黒潮(2.2.2節)、親潮(2.2.3節)、対馬暖流(2.2.4節)について診断する。2.3節では、気候に関連の深いエルニーニョ/ラニーニャ現象について診断する。

(3)北西太平洋の海洋汚染の状況(第3章)

第3章のテーマは、北西太平洋における海洋汚染の状況を明らかにすることである。海洋汚染の原因は人間活動であり、地球環境問題の重要課題の一つである。3.1節では固形ゴミである浮遊プラスチック類、3.2節では浮遊タールボール・油分、3.3節では生体内に蓄積されやすく有害な重金属である水銀とカドミウムによる汚染の状況を診断する。

2 各節の構成

各節は、次のような構成でまとめている。

診断概要
診断の背景や目的を診断内容に、診断の要約を診断結果にまとめている。
○○の基礎知識
診断を理解するにあたって必要な基礎知識、最新の研究成果、社会への影響などをまとめている。
○○の監視
気象庁による最新の観測・調査の結果をまとめている。
診断
最新の研究成果を踏まえて、最新の観測・調査の結果を気象庁の見解としてまとめている。

3 重要なキーワード

(1)診断

 「診断」という言葉は、「物事を調べて通常の状態と異なっていないかなどその状態を判断すること」などの意味として用いられる。「海洋の健康診断表」における「診断」という言葉もほぼ同じ意味であり、ここでは、「海洋の状況や変動の原因、今後の見通し、地球環境との関連性などについて判断すること」を意味している。

(2)現象の変動と変化

 「変化」という言葉は、「ある物事がそれまでとは違う状態・性質になること」、「変動」という言葉は、「物事が変わり動くこと」であるが、区別せず使用されることもある。ここでは、「変化」及び「変動」という言葉を区別して使用し、「変化」という言葉は、ある期間の初めから終わりにかけて、対象とする現象の要素が、どの程度の割合で増えたり減ったりしているのか評価する場合に使用する。また、「変動」という言葉は、一定の期間内で、ある状態と異なる状態を交互に繰り返す現象についてその周期や振幅を評価する場合に使用する。

(3)現象の時間スケール

 現象の変化を評価する期間や、現象の変動における周期を時間スケールという。大気や海洋は、さまざまな時間スケールで変動している。比較的短い時間スケールの変動には、地球の自転に関係する日変動、地球の公転に関係する季節変動のほか、低気圧の発達衰弱のように数日規模の変動もある。年平均値などを時系列でみると、その値は毎年一定ではなく年ごとに変動していることがわかる。この変動を年々変動という。また、1年よりも長い時間スケールで増減を繰り返すこともある。この変動をその時間スケールにより、数年規模の変動、十年規模の変動などといい、本書では総称して長期変動ともいう。また、本書では十年規模よりも長い期間にわたる変化を長期変化といい、その期間における増減の割合を長期変化傾向(トレンド)という。なお、本書で扱う長期変化の時間スケールは診断の対象や観測記録の有無によって異なり、最長で百年程度である。

(4)気候変動を引き起こす要因

 気候変動は、大気・海洋自身に内在する要因に加え、火山の噴火、太陽活動の変動などの自然的要因と、石油や石炭などの化石燃料の消費による大気中の二酸化炭素の増加や土地利用の変化(森林伐採や耕作地化など)などの人為的要因によって引き起こされる。

 ただし、気候変動の原因をこれらの要因に単純に分類することは難しい。

(5)地球環境

 本書で扱う地球環境とは、「人間をとりまく地球の自然の全体」のことであり、いわゆる地球温暖化などの「地球環境問題」として取り上げられる現象よりも広範な現象を対象としている。もちろん、海洋も地球環境の一部である。



本文 | 印刷用(PDF) | 更新履歴

印刷用(PDF)



本文 | 印刷用(PDF) | 更新履歴

更新履歴

内容更新

誤植訂正



はじめに <<前へ | 次へ>> 診断(要約)


Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ