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海洋の健康診断表について

海洋の健康診断表とは

四方を海で囲まれ、海から恵みを受け利用して生活をしている私たちにとって、海水温、海流、潮位などの情報は欠かせないものとなっています。 この海洋は、温室効果ガスである二酸化炭素を吸収したり、熱を貯えることによって、地球温暖化を緩やかにしています。また、海洋は、台風の発生・発達や異常気象にも深く関わっています。このため、地球環境問題への対応や異常気象の理解などには、海洋の状況を的確に把握することが重要です。 そこで、「海洋の健康診断表」では、地球環境に関連した海洋現象について、次のような疑問にわかりやすくお答え(診断)します。

  • 今の状態は?
  • どんな影響があるの?
  • いつもとどう違うの?
  • これからどうなるの?
  • その原因は?
  • 海洋の状態を分析して平常時との違いなどを判断することから、「健康診断」という名前を用いました。

診断表の種類

次のような種類の診断表を発表しています。

種類 説明
定期診断表 地球環境に関連する海洋の現象について、最新の状況・変化とその原因・今後の見通しなどを説明した「診断情報」を定期的に伝えるものです。診断項目と発表日はこちらをご覧ください。
臨時診断表 黒潮大蛇行や異常潮位など、社会的に影響の大きい海洋の現象が確認または予測される場合に、臨時に診断を行って、すみやかに伝えるものです。
総合診断表 定期診断表の各種情報を詳細に分析し、内外の最新の調査研究の成果を踏まえた見解を、総合的にとりまとめて伝えるものです。

海洋の諸現象

海水温:地球温暖化、気候や海洋の変動をみるための最も基本的な要素です。特に大気と接している海面の水温は、台風の発生・発達などに関係しており重要な要素です。エルニーニョ現象(太平洋赤道域の中央部からペルー沿岸沖にかけて海面水温が高くなる現象)や太平洋十年規模振動(北太平洋中高緯度の広範囲で低温化と高温化を十年規模の周期で繰り返す現象)も、海面水温の変動であり、日本や世界の気候に大きな影響を与えます。

海流:海流とは、海洋の大規模な水平方向の循環のことです。日本付近には、日本の南岸に暖流である黒潮、日本の東方には寒流である親潮が流れています。黒潮は南から大量の熱を運び、時に流路が大きく変わります。親潮は日本東方の海面水温分布に大きな影響を及ぼします。また、日本海には、対馬海峡から日本海に入る暖流である対馬暖流が流れており、その勢力も変動しています。これら海流の変動は、漁海況や船舶の運航航路に影響を与えるばかりでなく、日本の気候とも深く関っています。

海氷:海氷とは、海水が凍ってできた氷であり、北極域や南極域に分布しています。日本付近では、冬期になるとオホーツク海は海氷で広く覆われ、北海道沿岸に南下してくる海氷は流氷と呼ばれています。北極域や南極域の海氷の変動は地球温暖化や全世界の気候と深く関係しており、また、オホーツク海の海氷の変動は北海道の天候などに影響を与えます。

海面水位・潮位:潮位とは海面の高さをある基準面から測った値をいいますが、海面の長期変化に着目し、季節以上の時間スケールの変動を対象とする場合は一般に海面水位と呼んでいます。地球温暖化が進行すると、海水の熱膨張や氷床の融解により海面水位が上昇することが懸念されています。

海洋の温室効果ガス:温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハロカーボン類などのように、地表から赤外線の形で宇宙に逃げていくエネルギーを吸収して大気を暖め、地球の平均気温を上げる働きをもつ気体を指します。これらの気体のうち、二酸化炭素は、大気中に最も多く残存し、地球温暖化への影響が最も大きいとされていますが、海洋は、陸上生物圏と同様に、この二酸化炭素を吸収する役割を担っています。

海洋汚染:人間活動により排出された、プラスチックや油が海洋中にとどまり、海洋を汚染することであり、地球環境問題の一つです。

その他:固有の水温や塩分をもつ表層水塊と呼ばれる海水が世界の海洋にはいくつか存在することが分かっています。北太平洋には、北太平洋亜熱帯モード水や北太平洋回帰線水と呼ばれる表層水塊があり、その変動は北太平洋の気候変動と関連しています。また、日本海の深層には日本海固有水と呼ばれる水塊が存在していますが、その海水に溶けている酸素量が年々減少しています。

診断表の分野

分野 現状の時間スケール 内容 利用目的
地球温暖化に関わる海洋の長期変化 十年~百年程度で変化する現象 地球温暖化に関わる海面水温・海面水位・海氷の長期変化や地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の状況を診断します。この分野の診断は、年1回発表します。 地球温暖化への対策や啓発活動
気候に関連する海洋の変動 数か月~十年程度の周期で変化する現象 日本や北太平洋の気候に大きな影響を与えるエルニーニョ現象など海面水温や黒潮・親潮などの変動を診断します。この分野の診断は、月1回から年1回発表します。 気候変動や異常気象の理解など
週から月規模の海洋の変動 週から月程度の周期で変動する現象 日々の天候や生活に大きな影響を与える海面水温、黒潮・親潮など海流、潮位、オホーツク海の海氷の最新の状況を診断します。この分野の診断は、週2回から月1回発表します。 海洋の実況や今後の見通しの把握
北西太平洋の海洋汚染の状況 海洋に浮遊しているプラスチックやタールボール(油塊)、油や海水中の重金属濃度などの海洋汚染の状況を診断します。この分野の診断は、年1回発表します。 海洋汚染への対策や啓発活動

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