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異常潮位

異常潮位とは、台風などによって引き起こされる高潮や地震に伴う津波とは異なった原因で、潮位がある程度の期間(概ね1週間から3か月程度)継続して高く(もしくは低く)なる現象のことです。
異常潮位は、主に以下の4つのことが原因となるほか、気圧配置などその他の要因と複合して発生する場合もあると考えられています。 なお、例年、夏から秋にかけては、他の季節と比べて全国的に潮位は高くなりますので、この期間に異常潮位や高潮が生じて潮位がさらに高くなると、浸水などの被害を生じることがあります。

海流

日本の南には世界有数の海流である黒潮が流れています。 黒潮の流れの強い部分は幅100キロメートルに及び、流れ去る方向に向かって見た場合、黒潮の右側は約1メートルほど高くなっています。 陸側から見れば沖合に向かうほど海面が高くなっていることになり、黒潮が岸に接して流れている場合にはその分沿岸の潮位が高くなります。 岸に接して流れる期間が長いと、沿岸の潮位の高い状態が継続することとなり、異常潮位となります。 また、北半球の海流は流れ去る方向に向かって右側が高い状態となっているため、例えば黒潮は岸から離れた沖合を流れていても、その間を黒潮から分岐した流れが陸を右に見て流れている場合等は沿岸では潮位が高くなって、異常潮位の原因となることがあります。


暖水渦・冷水渦

海の中には、直径が数十キロメートル~数百キロメートルの渦が多数あります。 この渦のうち、周囲よりも暖かいものは暖水渦、冷たいものは冷水渦とよばれます。 暖水渦は時計回りの渦で、中心付近の海面は暖水の膨張により周囲より高 くなっています。 このため、暖水渦が岸に接近すると潮位の高い状態が継続し、異常潮位の要因となります。 逆に、冷水渦は反時計回りの渦で、中心付近の海面は周囲より低くなっているため、冷水渦が岸に接近すると潮位の低い状態が継続します。 暖水渦や冷水渦の影響を受けるのは、黒潮の南に位置する小笠原諸島および奄美地方から八重山地方にかけての地域が多く、特に沖縄本島地方や八重山地方ではこれまでに暖水渦の接近により異常潮位が発生し、浸水や冠水の被害が発生しています。


海上を連続して風が吹送すると、海水は地球自転の影響によって北半球では風が吹く方向に対して右向きに移動する性質を持っています。 この現象をエクマン輸送と呼びます。 エクマン輸送によって水塊が移動すると、流れに向かって右側の水位が高くなるため、太平洋側では東よりの風、日本海側では西よりの風が数日以上継続して吹いた場合には、沿岸部で潮位が上昇します。 この状態が維持されると、異常潮位となります。


陸棚波

陸棚波は水深の浅い海域で発達し、陸を右に見る方向に伝播する波動のことです。 本州の太平洋沿岸や日本海の沿岸では、台風や低気圧の風によって海洋中に励起された陸棚波が非常にゆっくりとした速度で伝播し、数日経過してから潮位が上昇して浸水被害等が発生することがあります。 太平洋沿岸では東から西に、日本海沿岸では西から東に順次、潮位偏差の大きな地域が現れます。 1971年秋に本州南岸で大規模な異常潮位が発生し、この要因の一つに台風によって励起された陸棚波が考えられています。



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