黒潮の数か月から十年規模の変動(流量)

平成25年5月20日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断(2012年)

東経137度線を横切る黒潮流量は、2006年から2008年頃にかけて減少し、2009年以降少ない状態が続いています。
黒潮の流量

東経137度線を横切る冬季・夏季の黒潮の流量の経年変化(1972年冬季~2013年冬季)

夏季と冬季の気象庁海洋気象観測船の観測に基づく深さ約1250mを基準とした地衡流量を計算し、本州南方における東向き流量からその南側の西向き流量(黒潮反流)を再循環する量として差し引いた正味の東向きの値を黒潮の流量としています。細線は観測値、太線はその3年移動平均を表します。2009年夏季(図中'+')は、気象庁海洋気象観測船以外のデータも利用しています。詳細については「2009年夏季の東経137度線の解析」をご覧ください。

解説

東経137度線を横切る日本南方の黒潮流量には、数年から10年程度の周期変動がみられます。近年では2002年頃に極小、2006年頃に極大となり、2009年頃に極小となり、それ以降は流量が増加傾向にあります。このような黒潮流量の変動は、北太平洋中央部における風の分布や強さの変動が影響していると考えられます(参考:黒潮の流量と北太平洋中央部の風)
北太平洋中央部における風の分布や強さは、2005年以降、黒潮の流れを含む海洋の循環を弱める方に働いているため、黒潮流量は今後も少ない状態が続くと考えられます。

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