海面水温・海流(日本海)

平成28年11月10日発表
日本海海洋気象センター

診断(2016年11月上旬)

  • 海面水温は、平年より低い海域が拡大しました。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西からは北に流れ、北緯38度付近からは北東に流れています。北緯39.5度、東経135度付近からは東南東へ流れ、能登半島の北の北緯39度、東経136.5度付近からは東北東に流れています。秋田沖の北緯40.5度、東経139.5度付近からは北西に流れ、津軽沖の北緯41.5度、東経138.5度付近からは東に流れて、津軽海峡に達しています。

日本海の海面水温平年差分布図(11月9日)
日本海の海面水温平年差分布図(11月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

11月上旬の日本海は、平年では10日間で海面水温が1〜2℃程度低下する時期ですが、冬型の気圧配置になる日が多かったため、平年より風が強く、また寒気が強かった影響で海面水温が平年より大きく低下しました。その結果、日本海北部では海面水温が平年より低い海域が拡大し、広い範囲で平年よりかなり低くなっています。また、日本海中部・南部では海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域がみられるようになりました。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の西からは北に流れ、北緯38度付近からは北東に流れています。北緯39.5度、東経135度付近からは東南東へ流れ、能登半島の北の北緯39度、東経136.5度付近からは東北東に流れています。秋田沖の北緯40.5度、東経139.5度付近からは北西に流れ、津軽沖の北緯41.5度、東経138.5度付近からは東に流れて、津軽海峡に達しています。

津軽沖からは北に向かう流れもみられます。また、能登沖の北緯38度、東経135度付近では反時計回りの流れが、朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられます。

対馬暖流の勢力は平年より強くなっています。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は向こう1か月、平年より強いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1982〜2010年の29年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり強い(弱い)」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(11月9日)
日本海の深さ100mの水温分布図(11月9日)

この図の水温は速報値です。日本海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

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