海面水温・海流(日本海)

平成25年9月10日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年9月上旬)

  • 海面水温は、平年より2℃以上高い海域はなくなり、平年より低い海域がみられるようになりました。
  • 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に向きを変え、北緯38度、東経135度付近を中心とする時計回りの循環に沿って流れています。能登沖からは北に流れ、北緯39度付近からは北東に向きを変え、秋田沖に達しています。秋田沖からは東経139.5度付近を北に流れています。

日本海の海面水温平年差分布図(9月9日)
日本海の海面水温平年差分布図(9月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

9月上旬の日本海の海面水温は、平年では0.5℃程度低下する時期ですが、旬の前半に平年より日照時間が少なく、北よりの風が強かったため、海面水温が平年より大きく低下しました。その結果、海面水温が平年より2℃以上高い海域はなくなり、沿海州沿岸寄りの海域では海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。日本沿岸寄りの海域では海面水温が平年より高い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

日本海の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低くなるでしょう。

日本沿岸寄りの海域では、9月中旬まで海面水温が平年より高い状態が続くでしょう。

海流の実況

対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に向きを変え、北緯38度、東経135度付近を中心とする時計回りの循環に沿って流れています。能登沖からは北に流れ、北緯39度付近からは北東に向きを変え、秋田沖に達しています。秋田沖からは東経139.5度付近を北に流れています。津軽沖からは北上する流れと、津軽海峡へ向かう流れに分かれています。また、北緯36.5度、東経135度付近を中心とする時計回りの循環がみられます。

対馬暖流の勢力は平年よりかなり強くなっています。

対馬暖流の勢力の今後の見通し

対馬暖流の勢力は、向こう1か月、平年より強い状態が続くでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

対馬暖流の勢力について

  • 対馬暖流の勢力は、日本海における深さ100mの水温が10℃以上の海域の面積によって定義しています。1985〜2010年の26年間に出現した対馬暖流の勢力の指標の上位1/3以上を「平年より強い」、下位1/3以下を「平年より弱い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

日本海の深さ100mの水温分布図(9月9日)
日本海の深さ100mの水温分布図(9月9日)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

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