日本近海の海流(月概況)

平成29年5月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2017年4月)

  • 黒潮は、4月を通して沖縄の北西180~190km付近を流れていました。都井岬では、4月を通して離岸(小蛇行)して流れていました。足摺岬では、4月上旬と中旬は離岸して流れ、下旬は離岸(小蛇行)して流れていました。室戸岬では、4月上旬は離岸して流れ、中旬は接岸して流れていましたが一時離岸し、下旬の前半は接岸して流れ、後半は離岸して流れていました。潮岬では、4月を通して接岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、4月上旬は北緯32度、東経139.5度付近、中旬は北緯32度、東経139度付近、下旬は北緯32度、東経140度付近となっていました。伊豆諸島付近では、4月を通して八丈島の南を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、4月上旬、中旬は北緯39度、東経144.5度付近、下旬は北緯39.5度、東経143度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、4月上旬は北緯40.5度、東経148度付近、中旬は北緯40度、東経148度付近、下旬は北緯40度、東経147.5度付近でした。親潮の面積は、4月を通して平年並となっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、4月を通して平年より強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2017年4月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2017年4月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2017年4月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 190km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.5度、東南東 北緯29.6度、東南東 北緯29.5度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸(小蛇行) 離岸(小蛇行) 離岸(小蛇行)
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸(小蛇行)
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸、一時離岸 旬の前半は接岸、後半は離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32度、東経139.5度 北緯32度、東経139度 北緯32度、東経140度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 4月を通して、先島諸島の南の北緯23度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた
奄美群島の東~南東では、4月上旬に北緯27度、東経132.5度付近、中旬に北緯27度、東経132度付近、下旬に北緯27.5度、東経131.5度付近に暖水渦がみられた
先島諸島の南東では、4月上旬に北緯23.5度、東経126.5度付近、中旬に北緯23.5度、東経126度付近、下旬に北緯23.5度、東経125.5度付近に冷水渦がみられた
種子島の東~都井岬の東では、4月上旬、中旬に北緯30.5度、東経132.5度付近、下旬に北緯31度、東経132.5度付近に冷水渦がみられた
八丈島付近では、4月上旬に北緯33度、東経139.5度付近、中旬、下旬に北緯33.5度、東経140.5度付近に冷水渦がみられた
関東の南東では、4月上旬に北緯35度、東経144度付近に冷水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2017年4月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39度、東経144.5度付近(図中A) 北緯39度、東経144.5度付近(図中A) 北緯39.5度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経148度付近 北緯40度、東経148度付近(図中B) 北緯40度、東経147.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 北緯37.5度、東経144.5度付近 北緯37.5度、東経144度付近 特にみられない
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より東) 東経142度付近(平年並) 東経142.5度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年より北)(経度は東経143.5度付近) 北緯37度付近(平年より北)(経度は東経142度付近)(図中D) 北緯37.5度付近(平年より北)(経度は東経143度付近)
その他の日本の東の海流 4月を通して、三陸沖の北緯38.5度、東経143度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北から東南東に流れ、若狭湾沖からは北に流れ、能登沖の北緯39度付近からは東に流れていた
酒田沖の北緯39度、東経139.5度付近からは北北西に流れ、津軽沖を時計回りに流れて、津軽海峡に達していた
朝鮮半島東方では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年より強い 平年より強い 平年より強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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