日本近海の海流(月概況)

平成26年2月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2014年1月)

  • 黒潮は、1月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬では1月を通して離岸して流れていました。足摺岬では1月中旬の前半に接岸していましたが、それ以外の期間は離岸して流れていました。室戸岬では1月上旬と中旬は接岸、下旬は離岸して流れていました。潮岬では離岸と接岸を繰り返して流れていました。
  • 東海沖では、1月上旬は北緯31.5度、東経139.5度付近、中旬以降は北緯32度、東経140度付近までそれぞれ南下し、1月を通して八丈島の南を流れ、伊豆諸島の東を北に流れていました。
  • 親潮は、1月を通して分枝構造がみられず、上旬と中旬の親潮の南限位置は、北緯40.5度、東経144.5度付近(図中C)、下旬は北緯39.5度、東経145.5度付近でした。親潮の面積は、1月上旬と中旬は平年並、下旬は平年より大きい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、1月を通して、平年より弱い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年1月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2014年1月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2014年1月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30度/東南東 北緯29.6度/東 北緯30.2度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 旬の前半は接岸、後半は離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸  離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸 旬の前半は離岸、後半は接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経139.5度付近 北緯32度、東経140度付近 北緯32度、東経140度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 1月を通して、沖縄の南の北緯23度、東経124度付近に暖水域がみられた
1月を通して、四国沖の北緯30度、東経135度付近に暖水渦がみられた(図中A)
1月を通して、東海沖から伊豆諸島近海では、黒潮流路の北側に冷水域がみられた(図中B)

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2014年1月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経144.5度付近(図中C) 北緯40.5度、東経144.5度付近(図中C) 北緯39.5度、東経145.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度、東経147.5度付近 なし なし
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年より西) 東経142度付近(平年より西)(図中D) 東経142度付近(平年より西)(図中D)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年並) 北緯37度付近(平年並) 北緯37度付近(平年並)
その他の日本の東の海流 1月を通して北緯39度、東経143.5度付近に暖水域がみられた(図中E)
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北からは北に流れていた
北緯38.5度付近からは南東に流れ、能登沖の暖水域に沿って流れて佐渡沖に向かい、秋田沖(図中F)にみられる暖水域に沿って時計回りに流れて津軽沖に達していた
津軽沖からは北上する流れと津軽海峡へ向かう流れに分かれていた
対馬暖流の勢力(※7 平年より弱い 平年より弱い 平年より弱い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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