日本近海の海流(月概況)

平成25年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年11月)

  • 黒潮は、11月を通して沖縄の北西180〜190km付近を流れていました。都井岬および足摺岬では、11月を通して接岸して流れていました。室戸岬および潮岬では、11月を通して離岸して流れていました。東海沖では、11月上旬は北緯31.5度、東経139.5度付近、中旬は北緯32.5度、東経138度付近、下旬は北緯32度、東経139度付近までそれぞれ南下し、八丈島の南を流れ、伊豆諸島の東を北に流れていました。
  • 親潮は、11月の上旬と下旬に分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は、上旬と下旬のいずれも北緯41.5度、東経144度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯39度、東経146.5度付近、下旬は北緯40度、東経146.5度付近でした。分枝構造がみられなかった11月中旬の親潮の南限位置は、北緯41.5度、東経144度付近でした。親潮の面積は、11月上旬は平年より大きく、中旬は平年より小さく、下旬は平年並の状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、11月を通して、平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年11月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年11月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年11月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 190km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度/東南東 北緯30.2度/東南東 北緯29.8度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸  離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経139.5度付近 北緯32.5度、東経138度付近 北緯32度、東経139度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 11月を通して、四国沖の北緯31度、東経136度付近に暖水渦がみられた(図中A)
11月を通して、東海沖から伊豆諸島近海では、黒潮流路の北側に冷水域がみられた(図中B)

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年11月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41.5度、東経144度付近(図中C) 北緯41.5度、東経144度付近(図中C) 北緯41.5度、東経144度付近(図中C)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯39度、東経146.5度付近(図中D) なし 北緯40度、東経146.5度付近
その他の親潮系冷水の位置 なし 北緯40度、東経147度付近 なし
親潮の面積(※4 平年より大きい 平年より小さい 平年並
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年より西)(図中E) 東経143度付近(平年より西)(図中E) 東経143度付近(平年より西)(図中E)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37度付近(平年より南) 北緯37.5度付近(平年並) 北緯37.5度付近(平年並)
その他の日本の東の海流 11月を通して、北緯39度、東経143度付近および北緯37.5度、東経146.5度付近に暖水渦がみられた(図中F)
11月の中旬と下旬は、北緯42度、東経147度付近に暖水渦がみられた(図中G)
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、山陰沖東部では北緯37.5度、東経134度付近の暖水域(図中H)に沿って時計回りに流れていた
北緯38.5度、東経136度付近からは南東に流れ、佐渡沖にみられる暖水域(図中I)に沿って東経137度付近を北上し、北緯40.5度付近を東に流れていた
秋田沖からは北北東に流れて津軽沖に達していた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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