日本近海の海流(月概況)

平成25年5月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2013年4月)

  • 黒潮は、4月を通して沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬では4月を通して接岸して流れていました。足摺岬では4月上旬の半ばまでは離岸して流れていましたが、それ以降は接岸して流れていました。潮岬では4月を通して離岸して流れていました。伊豆諸島付近では、4月上旬は三宅島付近を流れていましたが、中旬以降は三宅島の南を流れていました。
  • 親潮は、4月を通して沿岸寄りの分枝と沖合の分枝がみられました。沿岸寄りの分枝の南限位置は、4月を通して北緯39.5度、東経143度から144度付近にありました。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯39.5度、東経145度付近、中旬と下旬は北緯40度、東経148度付近にありました。親潮の面積は、4月上旬は平年より大きく、中旬と下旬は平年並の状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、4月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年4月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年4月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年4月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.6度/南東 北緯30度/東南東 北緯30度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 前半離岸、後半接岸 接岸 接岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 前半離岸、後半接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.4度、東経136.8度 北緯33.1度、東経140度 北緯32度、東経138度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島の南 三宅島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 黒潮は、4月下旬に東海沖で南よりの流路となっていた
遠州灘では、4月を通して断続的に黒潮からの暖水の波及がみられた
九州西方では、4月を通して黒潮からの暖水の北上がみられた(図中A)

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年4月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経143度付近(図中B) 北緯39.5度、東経144度付近 北緯39.5度、東経143度付近(図中B)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯39.5度、東経145度付近 北緯40度、東経148度付近(図中C) 北緯40度、東経148度付近(図中C)
その他の親潮系冷水の位置 金華山沖から常磐沖 みられず みられず
親潮の面積(※4 平年より大きい 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年並) 東経142度付近(平年並) 東経142度付近(平年並)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年より北)(図中D) 北緯38度付近(平年より北) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中D)
その他の日本の東の海流 4月を通して、北緯41度、東経147.5度付近に暖水渦がみられた(図中E)
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では、北東に流れていた
山陰沖東部から能登半島の西方にかけて、隠岐の北と能登半島西方(図中F)の暖水域の北縁をおおむね東に流れていた
4月の中旬から下旬にかけて、山陰沖東部の冷水渦の南縁を東に向かう流れもみられた
能登半島の北方から青森県沖にかけて、沿岸の暖水域(図中G)の北西縁をおおむね北東に流れていた
津軽海峡西方からは北上する流れと、津軽海峡へ向かう流れに分かれていた
また、対馬海峡から朝鮮半島東岸に沿って北上する流れが北緯38度付近まで達していた
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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