日本近海の海流(月概況)

平成25年3月21日発表 気象庁地球環境・海洋部


診断(2013年2月)

  • 黒潮は、2月上旬は沖縄の北西170km付近を、中旬及び下旬は160㎞付近を北東に流れていました。都井岬では2月を通して離岸して流れていました。足摺岬では、2月上旬の前半は接岸して流れ、上旬の後半以降は離岸して流れていました。潮岬では、2月上旬に一時的に離岸して流れたほか、中旬の後半にも離岸して流れましたが、その他の期間では接岸して流れていました。伊豆諸島付近では、2月上旬は八丈島の北を流れ、中旬及び下旬は三宅島の南を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置は、2月上旬は北緯40度・東経143度付近、中旬は北緯39.5度・東経143度付近(図中A)、下旬は北緯39度・東経142.5度付近にありました。親潮の沖合の分枝の南限位置は、2月を通して北緯40度・東経147.5度付近(図中B)にありました。親潮の面積は、2月を通して平年より大きい状態でした。
  • 対馬暖流の勢力は、2月を通して平年並の状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年2月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2013年2月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2013年2月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 170km付近 160km付近 160km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.9度/南東 北緯29.5度/東南東 北緯30度/南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 前半接岸、後半離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 一時離岸 前半接岸、後半離岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33.1度、東経136.6度 北緯33.3度、東経138.7度 北緯33.2度、東経137.8度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の北 三宅島の南 三宅島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 特になし  

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2013年2月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経143度付近 北緯39.5度、東経143度付近(図中A) 北緯39度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経147.5度付近(図中B) 北緯40度、東経147.5度付近(図中B) 北緯40度、東経147.5度付近(図中B)
その他の親潮系冷水の位置 みられず みられず みられず
親潮の面積(※4 平年より大きい 平年より大きい 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年より西) 東経142度付近(平年並) 東経142度付近(平年並)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年より北)(図中C) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中C) 北緯37.5度付近(平年より北)(図中C)
その他の日本の東の海流 月を通して、釧路沖の北緯41.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられた(図中D)。上旬は、三陸沖の北緯39度、東経144度付近に暖水渦がみられた。
日本海の海流 対馬暖流は、山陰東部の東経134度付近で北に、佐渡島の北では北東に、男鹿半島の北西では北へ向かう流れがそれぞれみられた。また、朝鮮半島の東、山陰東部の北、能登半島の北の暖水の張り出し(図中E)に沿って、それぞれ右回りの流れがみられた。
対馬暖流の勢力(※7 平年並 平年並 平年並

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

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