太平洋十年規模振動(PDO)指数の変動

平成27年3月20日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断 (2014年)

  • 2014年のPDO指数(年平均値)は+1.1でした。10年以上の長い周期の変動に注目すると、PDO指数は2000年頃から現在はおおむね負の値で推移していましたが、年平均値としては2006年以来8年ぶりに正の値となりました。
PDO指数の図

図1:PDO指数の推移(1901年〜2014年)

赤線が年平均値、青線はその5年移動平均値です。また、月毎の指数を灰色の棒グラフで示しています。

解説

 2014年のPDO指数(年平均値)は+1.1でした。
 数十年の長い時間規模では、PDO指数は1940年代に正から負へ、1970年代末に負から正へ変化し、その後1990年代まではおおむね正の値(北太平洋中央部で海面水温が低い状態)で推移していましたが、2000年頃から現在はおおむね負の値(北太平洋中央部で海面水温が高い状態)が続いています。その中で、2014年は大気からの外力によって海面水温のパターンが変化し、2006年以来8年ぶりに年平均値が正となったものと考えられます。月別に見ても2014年2月以降は正の値が続いており、近年継続していた傾向とは異なっています。PDOは日本を含む世界各地の天候や、地球温暖化の加速・停滞と関連している可能性が示唆されており、その変動を引き続き監視していく必要があります。

参考

PDO指数の定義

 PDO指数は、1901年から2000年までの期間について求めた北太平洋の20°N以北における海面水温偏差の経験的直交関数(EOF)第一モードに対して、月平均海面水温偏差(1901年から2000年までの平均値に対する差)を投影した係数で定義しています。ただし、地球温暖化の影響を取り去るため、EOF解析を行う前にそれぞれの地点の月平均海面水温偏差から全球平均海面水温偏差を除いています。

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