全球の海面水温の変動(2018年1月)

平成30年2月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


1月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、西部で顕著な正偏差、東部で顕著な負偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差及び基準値との差はいずれも-1.1℃でした。
  • 北太平洋では、熱帯域の西部から40°N, 165°W付近にかけてと、北米西岸から中米西岸沖にかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 南太平洋では、熱帯域の西部、オーストラリア南東岸から50°S, 150°W付近にかけてと、40°S, 125°W付近から30°S, 90°W付近にかけて顕著な正偏差、20°S, 115°W付近からチリ西岸にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、25°S, 65°E付近から45°S, 90°E付近にかけてと、ベンガル湾で顕著な正偏差、アラビア海と、60°E以西の広い範囲で顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、カリブ海から欧州西岸にかけて顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2018年1月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ばから続いていた正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターン(北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差)が、2017年夏頃から次第に不明瞭になっています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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