全球の海面水温の変動(2015年8月)

平成27年9月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


8月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近から東部にかけて顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はいずれも+2.2℃でした。
  • 北太平洋の海面水温は、北米沿岸および熱帯域の中部から東部にかけてと、フィリピン付近で顕著な正偏差でした。南太平洋では、20°S, 170°E付近から30°S, 150°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、ジャワ島の南を除き、ほぼ全域で顕著な正偏差が見られました。
  • 北大西洋では、メキシコ湾から北アフリカ西岸にかけて顕著な正偏差、グリーンランドの南で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2015年8月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2014年半ば以降、北太平洋中央部付近で負偏差、北米沖などで正偏差となる正のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね続いています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2015年4月以降、各月としては1891年の統計開始以来最も大きな正偏差となっています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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