全球の海面水温の変動(2015年6月)

平成27年7月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


6月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線付近から東部にかけて顕著な正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はいずれも+1.6℃でした。
  • 北太平洋では、北米沿岸および熱帯域の中部から東部にかけてと、南シナ海から35°N, 180°付近にかけて顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、15°S, 140°W付近から15°S, 110°W付近にかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋の海面水温は、30°S以北のほぼ全域で正偏差でした。
  • 北大西洋では、メキシコ湾から40°N, 20°W付近にかけて顕著な正偏差、10°N, 55°W付近から20°N, 25°W付近にかけてとグリーンランドの南で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2015年6月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

 2010年6月以降、北太平洋中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる海面水温偏差パターンが概ね持続していましたが、2013年4月頃から位相が不明瞭となり、2014年半ば以降、正のPDO時のパターンが表れることが多くなっています。
 全球平均海面水温は、2014年春以降明瞭な正偏差が持続しています。2015年4月以降、各月としては1891年の統計開始以来最も大きな正偏差となっています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

このページのトップへ