全球の海面水温の変動(2014年3月)

平成26年4月15日発表

気象庁地球環境・海洋部

診断


3月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は、西部で正偏差でした。NINO.3海域の月平均海面水温偏差および基準値との差はともに-0.1℃でした。
  • 北太平洋では、アラスカの南からメキシコ沿岸にかけてと、熱帯域の中部から西部にかけて顕著な正偏差が見られました。南太平洋では、45°S付近で帯状に顕著な正偏差、チリ沿岸の30°S付近から15°S, 125°Wにかけて顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋では、オーストラリア北西岸付近から南半球の熱帯域中部にかけてと、マダガスカル付近から35°S, 80°E付近にかけて顕著な正偏差、アラビア海とベンガル湾の一部で顕著な負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、カリブ海から35°N, 35°Wにかけて顕著な正偏差、北アフリカ西岸付近と50°N, 30°W付近で顕著な負偏差が見られ、三極構造となっています。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2014年3月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1981年〜2010年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

全球の海面水温の最近の傾向

北太平洋の海面水温は、2010年6月以降、中央部付近で正偏差、北米沖などで負偏差となる負のPDO(太平洋十年規模振動)時に見られる偏差パターンが概ね持続していますが、2013年4月以降は、北米沖で正偏差が見られるなど、不明瞭となることが多くなっています。


顕著な現象とは

全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る正偏差(高温)、−1を下回る負偏差(低温)を顕著な現象として主に記述しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ空間パターンを対象にしています。

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