全球の海面水温の変動(2011年1月)

平成23年2月15日発表

診断


1月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  •  太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で負偏差が見られました。北太平洋では、フィリピン東方と45ºN175ºE付近で顕著な正偏差が見られ、米国西方沖とメキシコ西岸付近で顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、オーストラリア東方沖から35ºS95ºW付近にかけて顕著な正偏差が見られ、南アメリカ西方沖で顕著な負偏差が見られました。
  •  北大西洋では、ベネズエラ沿岸から北アフリカの西岸にかけてとグリーンランドの南方で顕著な正偏差が見られ、メキシコ湾から米国東方沖にかけて顕著な負偏差が見られました。
  •  インド洋では、オーストラリア西方沖とマダガスカル付近から45ºS115ºE付近にかけて顕著な正偏差が見られました。一方、10ºS80ºE付近で顕著な負偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2011年1月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域の中部から東部では、2010年夏以降、負偏差となり、ラニーニャ現象時の特徴が持続しています。
 北大西洋の海面水温は、2010年1月以降、熱帯域と50ºN付近より北側で正偏差が持続し、8月頃にはほぼ全域で正偏差となりましたが、10月頃から米国東方沖で負偏差が見られるようになりました。
 インド洋の海面水温は、2010年2月から9月頃まで、ほぼ全域で顕著な正偏差が持続しましたが、春以降次第に弱まり、10月以降では全域で正偏差が見られる状況は解消しています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

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