全球の海面水温の変動(2009年8月)

平成21年9月15日発表

診断


8月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は全域で正偏差でした。110ºW以東では1℃以上の正偏差が見られました。北太平洋では、熱帯域、日本の南から40ºN170ºEにかけてと北アメリカ西方沖で顕著な正偏差が見られました。一方、日本海、アリューシャン近海とその南では顕著な負偏差が見られました。南太平洋では、熱帯域西部と20ºS120ºWから30ºS80ºWにかけて顕著な正偏差が見られました。
  • 大西洋の海面水温は、10ºN以北では、50ºN30ºW付近で顕著な負偏差、その他では広く顕著な正偏差が見られました。赤道域中部では顕著な負偏差が見られました。
  • インド洋の海面水温は、赤道域東部からオーストラリアの北西にかけてと赤道域西部からアラビア海にかけて顕著な正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2009年8月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃

解説

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2008/2009年冬に中部から東部にかけて負偏差が強まりましたが、4月に解消しました。6月以降には全域で正偏差が顕著になっています。
 大西洋では2008年5月以降、30ºN以北の広い範囲での顕著な正偏差が続いていましたが、2009年5月以降には負偏差域が見られるようになっています。
 インド洋では2008年10月以降、南西部で顕著な正偏差が持続していましたが、8月には弱まりました。
 全球平均海面水温偏差は、2009年春以降、上昇し、2009年6月以降、97/98エルニーニョ現象に伴って高偏差となった1998年以来の高い値が持続しています。

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、ある程度の大きさ(数1000km以上)を持つ 空間パターンを対象にしています。

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