全球の海面水温の変動(2008年1月)

平成20年2月15日発表

診断


1月の全球の海面水温の状況は、以下の通りです。

  • 太平洋赤道域の海面水温は中部を中心として負偏差が顕著で、ラニーニャ現象が続いています。北太平洋では、熱帯域の西部から北アメリカ西方の 35ºN140ºWにかけて正偏差が広く見られました。一方、北アメリカ西岸付近で負偏差が見られました。南太平洋では、オーストラリア南東沖とメラネシア周辺、および35ºS115ºW付近を中心に正偏差が見られました。一方、ペルー西方沖で負偏差が見られました。
  • 北大西洋では、50ºW以東、30ºN以北の海域、およびアフリカ西岸の5ºN付近に正偏差が見られました。南大西洋では、アルゼンチン沿岸の35ºS付近から40ºS5ºE付近にかけて正偏差が見られました。
  • インド洋では、10ºS55ºEから105ºEにかけてとスマトラ島の北西沿岸付近で正偏差が見られました。
今月の図

全球海面水温平年偏差の分布

2008年1月の全球海面水温平年偏差の分布(平年
値は1971年〜2000年)。等値線の間隔は0.5℃。

解説

顕著な現象とは
全球の海面水温の診断にあたっては、海面水温平年偏差を標準偏差で規格化して(規格化海面水温偏差)、+1を上回る場合を顕著な 正偏差(高温)、−1を下回る場合を顕著な負偏差(低温)と表現しています。ただし、次に挙げるような、ある程度の大きさを持つ 空間パターンを対象にしています。
年々〜数十年周期の気候変動に伴う海面水温の偏差パターンについて
年々〜数十年周期の気候変動に伴って、 太平洋や大西洋に変動中心を持つ海面水温の偏差パターンが存在しています。

全球の海面水温の最近の傾向
 太平洋赤道域では、2007年春からラニーニャ現象が発生しており、春以降、東部で負偏差、西部で正偏差が継続し、秋から中部でも負偏差が顕著となりました。
 北大西洋では、2005年春から、アメリカ東岸沖で負偏差、その低緯度側と高緯度側で正偏差というパターンが持続していましたが、2007年夏以降、そのパターンが弱まってきています。2007年9月以降では北部の正偏差が顕著になっています。

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