海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成28年7月8日発表
東京管区気象台

診断(2016年7月上旬)

  • 常磐沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。
  • 房総沖から東海沖にかけては、海面水温が平年より低い海域が縮小し、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
  • 関東の南東では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。
  • 黒潮は、潮岬で接岸して、潮岬の南東の北緯33度、東経136度付近から東南東に流れ、北緯32.5度、東経140度付近から北東に流れ、北緯33.5度、東経141.5度付近から北に流れています。北緯35度付近からは北東に流れ、北緯36度、東経142.5度付近から東南東に流れています。房総半島では離岸して流れています。
  • 対馬暖流は、若狭湾沖を反時計回りに流れ、能登半島の西からは北北西に流れています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(7月7日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(7月7日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

常磐沖では、平年より日射量が多かった影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。

房総沖から東海沖にかけては、平年より日射量が多かった影響により、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。房総沖から伊豆諸島近海にかけては、それに加えて黒潮からの暖水の影響も受けました。

関東の南東では、平年より、日射量が多く、また風が弱かった影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。

北陸周辺海域では、平年より、日射量が少なく、また風が強かった影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東から東海沖にかけての海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2016年7月上旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸が続くが、離岸する時期がある
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経140度付近 北緯33度、東経138.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島と三宅島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経142.5度付近)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 遠州灘に時計回りの暖水がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、若狭湾沖を反時計回りに流れ、能登半島の西からは北北西に流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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