海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成27年7月17日発表
東京管区気象台

診断(2015年7月中旬)

  • 関東の東から東海沖にかけては、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、潮岬では離岸し、潮岬の南の北緯32.5度、東経136度付近から東に、東経138度付近から北東に流れ、三宅島付近を通ってさらに北東に流れ、房総半島では接岸して流れています。北緯36度、東経143度付近からは東南東に流れています。
  • 対馬暖流は、北緯38度、東経134度付近からは東北東に流れています。北緯36.5度、東経135度付近および北緯37度、東経136度付近には冷水域があって、反時計回りの流れがみられます。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(7月16日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(7月16日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

関東の東から東海沖にかけては、期間の前半で平年より日射量が多かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。特に、伊豆諸島近海から東海沖では、黒潮流路が北上したことで海面水温が大きく上昇しました。

北陸周辺海域では、平年より日射量が多かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東及び北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

関東の南東の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

東海沖の海面水温は、向こう1か月、期間の前半は平年並か平年より低く、後半は平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2015年7月中旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 8月上旬に接岸する
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32.5度、東経138度 北緯31.5度、東経139度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 八丈島と三宅島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143度付近)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、北緯38度、東経134度付近から東北東に流れている
北緯36.5度、東経135度付近および北緯37度、東経136度付近には冷水域があって、反時計回りの流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ