海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成27年1月9日発表
東京管区気象台

診断(2015年1月上旬)

  • 常磐沖では、海面水温が平年より2℃以上低い海域がみられます。
  • 伊豆諸島近海から房総沖にかけては、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。また、東海沖の黒潮流路の北側では、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。
  • 関東の南東から東海沖にかけての黒潮流路の南側では、海面水温が平年より低い状態が続いています。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。
  • 黒潮は、潮岬で接岸して東海沖では北緯33度を東南東に流れ、東経138.5度付近から東北東に流れ、東経139.5度付近で北北東に向きを変え、三宅島と八丈島の間を通って北緯34.5度付近から北東に流れ、房総半島は接岸して北緯36度付近から東北東に流れています。北緯36.5度、東経144.5度付近からは南東に流れています。
  • 対馬暖流は、能登半島の北西では北東に流れ、北緯38.5度、東経137度付近からは東に流れ、佐渡の北からは北北東に流れています。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(1月8日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(1月8日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

常磐沖では、冷水が南下している影響により、海面水温が平年より2℃以上低い海域がみられます。

伊豆諸島近海から房総沖にかけては、黒潮による暖水の影響で海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。また、東海沖の黒潮流路の北側では、黒潮から波及した暖水の影響により、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。

関東の南東から東海沖にかけての黒潮流路の南側では、海面水温が平年より低い状態が続いています。

北陸周辺海域では、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。

海面水温の今後の見通し

関東の東から東海沖にかけての海面水温は、向こう1か月、黒潮流路付近では平年より高く、その他の海域では平年より低いでしょう。常磐沖では、平年よりかなり低くなる見込みです。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。

海流の実況と見通し

2015年1月上旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸が続くが2月上旬には離岸する
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経138.5度 北緯32度、東経140度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯36.5度付近(平年より南)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 関東南東方の北緯33.5度、東経142度付近に冷水域がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、能登半島の北西から北東に流れ、北緯38.5度、東経137度付近からは東に流れ、佐渡の北からは北北東に流れている

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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