海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成26年11月10日発表
東京管区気象台

診断(2014年11月上旬)

  • 関東の東では、海面水温が平年より高い状態が続いており、平年よりかなり高い海域もみられるようになりました。
  • 関東の南東から東海沖にかけては、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、潮岬で接岸して東海沖では北緯33.5度付近を東北東に流れ、三宅島と八丈島の間を通って、東経140度付近から南東に流れ、東経141度付近から北北西に流れ、房総半島では接岸して北東に流れ、北緯35.5度付近から東に流れています。茨城県沖では、黒潮系暖水が北緯38度付近まで北上しています。
  • 対馬暖流は、能登半島の北にみられる暖水域に沿って流れ、北緯39度付近から東に流れています。能登半島の東から男鹿半島まで岸沿いに流れがみられます。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(11月9日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(11月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。関東・東海・北陸周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

関東の東では、黒潮系暖水が北上している影響で、海面水温が平年より高い状態が続いており、平年よりかなり高い海域もみられるようになりました。

関東の南東から東海沖にかけては、暖かく湿った空気が流入した影響により、また東海沖では黒潮流路が北上して冷水域が縮小した影響も加わり、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。

北陸周辺海域では、風が平年より弱かった影響で、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

関東の南東から東海沖にかけての海面水温は、向こう1か月、黒潮流路付近では平年並か平年より高く、その他の海域では平年より低いでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2014年11月上旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 なし 北緯33度、東経136度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島と三宅島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸だが、期間初めに一時離岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯38度付近(平年並)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 関東南東方の北緯31.5度、東経143度付近に冷水渦がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、能登半島の北にみられる暖水域に沿って流れ、北緯39度付近から東に流れている
能登半島の東から男鹿半島まで岸沿いに流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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