海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成26年8月8日発表
東京管区気象台

診断(2014年8月上旬)

  • 関東の東では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
  • 関東の南東では、海面水温が平年より低い海域がみられなくなり、平年より高い海域が拡大しました。
  • 東海沖では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い状態が続いており、平年よりかなり高い海域もみられます。
  • 黒潮は、潮岬で接岸し、東海沖では北緯33度を東に流れ、東経138.5度付近から北東に流れ、東経139.5度付近で北北東に向きを変え三宅島付近を通って流れ、東経140度付近から東北東に流れ、房総半島では離岸して流れています。北緯36度、東経143度付近から東に流れています。
  • 対馬暖流は、北緯39度、東経137度付近から東に流れています。能登半島の西方では、東経136度付近に北向きの流れがみられます。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(8月7日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(8月7日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

関東の東では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。

関東の南東では、太平洋高気圧に覆われ、平年より風が弱く日射量が多かった影響で、海面水温が平年より低い海域がみられなくなり、平年より高い海域が拡大しました。

東海沖では、台風第12号の影響で平年より風が強く、日射量が少なかったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

北陸周辺海域では、南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

関東の南東から東海沖にかけての海面水温は、向こう1か月、黒潮流路の北側では平年並か平年より低く、その他の海域では平年並か平年より高いでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2014年8月上旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経138.5度付近 北緯33度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島と八丈島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯38度付近(平年より北)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 関東の南東の北緯33.5度、東経143.5度付近に冷水渦がみられる
日本海の海流 対馬暖流は、北緯39度、東経137度付近から東に流れている
能登半島の西方では、東経136度付近に北向きの流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ