海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成26年6月30日発表
東京管区気象台

診断(2014年6月下旬)

  • 関東の東では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が引き続きみられます。
  • 関東の南東から東海沖にかけて、黒潮流路の南側では、海面水温が平年より1℃以上低い海域が拡大しました。黒潮流路の北側では、海面水温が平年より1℃以上低い海域が縮小しました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、潮岬で接岸して、東海沖では北緯33度を東に流れ、東経138.5度付近で東北東に向きを変えて、三宅島と八丈島の間を通って、東経140度付近で北東に向きを変え、房総半島は離岸して流れています。北緯36.5度、東経143.5度付近からは東に流れています。
  • 対馬暖流は、北緯38度付近を東に流れ、佐渡の西から北北東に流れています。山陰沖東部から能登半島の西方にかけて、岸沿いに流れがみられます。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(6月29日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(6月29日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

関東の東では、海面水温が平年より1℃以上高い海域が引き続きみられます。

関東の南東から東海沖にかけて、黒潮流路の南側では、低気圧などの影響により、海面水温が平年より1℃以上低い海域が拡大しました。黒潮流路の北側では、深さ100mで15℃以下の水温となる海域が縮小したことにより、海面水温が平年より1℃以上低い海域が縮小しました。

北陸周辺海域では、風が平年より弱かった影響により、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

関東の東の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

関東の南東と東海沖の海面水温は、向こう1か月、平年より低いでしょう。

北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2014年6月下旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸が続くが一時離岸する時期がある
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯33度、東経138.5度付近 北緯33度、東経138.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島と八丈島の間 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 期間後半に接岸する
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯36.5度付近(平年並)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、北緯38度付近を東に流れ、佐渡の西から北北東に流れている
山陰沖東部から能登半島の西方にかけて、岸沿いに流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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