海面水温・海流(関東・東海・北陸周辺海域)

平成25年11月8日発表
東京管区気象台

診断(2013年11月上旬)

  • 関東の東と関東の南東の黒潮流路では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
  • 東海沖と伊豆諸島近海では、海面水温が平年より低い海域は縮小しました。
  • 北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。
  • 黒潮は、潮岬で離岸して東に流れ、東海沖の東経138度付近から南東に流れ、北緯31.5度、東経140度付近まで南下し、伊豆諸島の東を北上して房総半島では離岸して流れています。
  • 対馬暖流は、能登沖にみられる冷水域に沿って東経137度付近を北に流れています。また、北緯37.5度、東経134度付近の暖水域に沿って時計回りの流れがみられます。能登半島の西方では、岸沿いに北東に向かう流れがみられます。

関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(11月7日)
関東・東海・北陸周辺海域の海面水温平年差分布図(11月7日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

関東の東と関東の南東の黒潮流路では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。関東の東については、黒潮続流による影響と考えられます。

東海沖と伊豆諸島近海では、海面水温が平年より低い海域は縮小し、平年より高い海域もみられるようになりました。

北陸周辺海域では、海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。

海面水温の今後の見通し

関東の東と北陸周辺海域の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。

関東の南東の海面水温は、向こう1か月、平年並でしょう。

東海沖と伊豆諸島近海の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。

海流の実況と見通し

2013年11月上旬の関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:関東・東海・北陸周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸が続くが、11月下旬に接岸する
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31.5度、東経140度付近 北緯32度付近となる
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸が続く
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※3 北緯37度、東経143度付近(平年より南)
関東・東海周辺海域のその他の顕著な現象 伊豆諸島近海では、黒潮流路の北側に冷水域がみられる
日本海の海流 能登沖にみられる冷水域に沿って東経137度付近を北に流れている
北緯37.5度、東経134度付近の暖水域に沿って時計回りの流れがみられる
能登半島の西方では岸沿いに北東の流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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