海面水温・海流(北海道周辺海域)

令和2年4月30日発表
札幌管区気象台

診断(2020年4月下旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、釧路沖では、引き続き平年よりかなり高い海域がみられます。
  • 親潮の南限位置は、北緯39度、東経146度付近にあります。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
  • 津軽暖流の東端は、平年より東となっています。
  • 釧路沖の北緯40.5度、東経145度付近に暖水渦がみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(4月29日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(4月29日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、釧路沖では下層の暖水の影響により引き続き平年よりかなり高い海域がみられます。襟裳岬周辺では、下層の冷水の影響により引き続き海面水温が平年より低い海域がみられます。

オホーツク海では、平年より日射量が多く、風が弱かったため、海面水温はおおむね平年より高くなっています。

日本海では、寒気の影響と平年より風が強かったことにより、海面水温が平年より高い海域は縮小しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、釧路沖では平年よりかなり高く、北海道東方では平年より低いでしょう。日本海では平年並の見込みです。オホーツク海では、平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2020年4月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39度、東経146度付近 東経148度以東に後退
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142.5度付近(平年より東)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯40.5度、東経145度付近に暖水渦がみられる
日本海の海流 顕著な流れはみられない

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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