海面水温・海流（北海道周辺海域）

平成30年9月10日発表
札幌管区気象台

診断（2018年9月上旬）

  • 北海道周辺の海面水温は、平年より低い海域が縮小し、太平洋では平年より高い海域がみられるようになりました。
  • 親潮の南限位置は、北緯41度、東経146度付近にあります。
  • 親潮の面積は、平年より小さい状態となりました。
  • 津軽暖流は津軽海峡の東で時計回りの渦を形成しており、東端は平年並となっています。
  • 釧路沖の北緯42度、東経147.5度と、北緯40.5度、東経145度付近にそれぞれ暖水渦がみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図（9月9日）
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図（9月9日）

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、太平洋では暖かく湿った空気の影響で、平年並か平年より高い海域が広くみられるようになりました。オホーツク海と日本海では、日射量が平年より多かったことと暖かく湿った空気の影響で、平年よりかなり低い海域が縮小しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は太平洋で平年並か平年より高いでしょう。日本海とオホーツク海では平年並か平年より低い見込みです。

海流の実況と見通し

2018年9月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表：北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注）
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※1） 北緯41度、東経146度付近 東経148度以東に後退
親潮の沖合の分枝の南限位置（※1） なし なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない －
親潮の面積（※2） 平年より小さい 平年より小さいか、かなり小さい
津軽暖流の東端の経度（※3） 東経143.5度付近（平年並） －
日本の東のその他の顕著な現象 津軽海峡の東の北緯41.5度、東経142.5度付近、釧路沖の北緯42度、東経147.5度付近、北緯40.5度、東経145度付近に暖水渦がみられる －
日本海の海流 顕著な流れはみられない －

（注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

このページのトップへ