海面水温・海流(北海道周辺海域)
平成29年7月31日発表
札幌管区気象台
診断(2017年7月下旬)
- 北海道周辺の海面水温は、引き続き平年よりかなり高い海域が広い範囲でみられます。日本海とオホーツク海では、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。太平洋では海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小し、釧路沖では平年より低い海域がみられるようになりました。
- 親潮の南限位置は、北緯40度、東経144度付近にあります。
- 親潮の面積は、平年より小さくなっています。
- 津軽暖流の東端は、平年より東の位置にあります。
- 三陸沖の北緯41度、東経147度付近に暖水渦がみられます。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(7月30日)
解説
海面水温
北海道周辺の海面水温は、引き続き平年よりかなり高い海域が広い範囲でみられます。日本海とオホーツク海では、平年より日射量が多かったため、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。一方、太平洋では海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小し、釧路沖では平年より低い海域がみられるようになりました。これは平年より日射量が少なかったことや、平年より風が強かった影響が考えられます。
- 参考図:北海道周辺海域の海面水温分布図(7月30日)
- 参考図:北海道周辺海域の10日間の海面水温変化量分布図(7月30日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ50mの海流分布図(7月30日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(7月30日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、北海道周辺の海面水温は平年並か平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2017年7月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯40度、東経144度付近 北緯39.5度、東経144度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし なし その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経147度付近 - 親潮の面積(※2) 平年より小さい 平年並か平年より小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143.5度付近(平年より東) - 日本の東のその他の顕著な現象 三陸沖の北緯41度、東経147度付近に暖水渦がみられる - 日本海の海流 顕著な流れはみられない - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:北海道周辺海域の深さ50mの海流分布図(7月30日)
- 参考図:北海道周辺海域の深さ100mの水温分布図(7月30日)
- 参考図:親潮の面積の時系列図
- 参考図:東北周辺海域の深さ50mの海流分布図(7月30日)
- 参考図:東北周辺海域の深さ100mの水温分布図(7月30日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。