海面水温・海流(北海道周辺海域)
平成27年8月10日発表
札幌管区気象台
診断(2015年8月上旬)
- 北海道周辺の海面水温は、広い範囲で平年より高い状態が続いています。日高沖から釧路沖にかけてと網走沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっています。
- 親潮の面積は、5月以降、この時期としては1982年の統計開始以来最も小さい状態が続いています。向こう1か月、親潮の面積は平年よりかなり小さい状態が続く見込みです。
- 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
- 親潮の南限位置は、北緯42度、東経148度付近にあります。
- 釧路沖の北緯41度、東経146度付近に暖水渦がみられます。
- 檜山沖では東経139度付近に、積丹半島の北では東経140度付近に、北向きの流れがみられます。
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(8月9日)
解説
海面水温
8月上旬の北海道周辺の海面水温は、平年ではこの10日間で1℃程度上昇する時期ですが、広い範囲で平年より上昇しました。
釧路沖では、暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。日高沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大し、平年より3℃以上高い海域がみられます。
網走沖では、海面水温が平年より2℃以上高い海域が拡大し、平年よりかなり高い状態になっています。
日本海では、平年より日射量が多かった影響で、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、平年より高い見込みで、平年よりかなり高い海域がみられるでしょう。
海流の実況と見通し
2015年8月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1) 北緯42度、東経148度付近 北緯41度、東経147度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※1) なし − その他の親潮系冷水の位置 特にみられない − 親潮の面積(※2) 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 津軽暖流の東端の経度(※3) 東経143.5度付近(平年並) − 日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯41度、東経146度付近に暖水渦がみられる − 日本海の海流 檜山沖では東経139度付近に、積丹半島の北では東経140度付近に、北向きの流れがみられる − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。