海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成27年3月20日発表
札幌管区気象台

診断(2015年3月中旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、日本海で平年より高く、日高沖で平年より低い状態が続いています。
  • 親潮の面積は、平年より大きくなっています。
  • 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
  • 檜山沖では東経139.5度付近に北向きの流れが、留萌沖では北北東向きの流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(3月19日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(3月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。北海道周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、日本海では平年より1℃以上高い海域が拡大しました。これは3月中旬の中頃から終わりにかけて平年ほど寒気の影響を受けなかったためと考えられます。また、太平洋の釧路沖でも海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられます。これは上述の要因に加え、南から暖水が北上したためと考えられます。

一方、太平洋の日高沖では、1月下旬以降、海面水温が平年より低い状態が続いています。また、襟裳岬の南東の北緯41度、東経144度付近では海面水温が平年より1℃以上低い海域が拡大しました。これらは親潮の影響によるものと考えられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、日本海では北緯41度以北で平年より高いでしょう。太平洋では日高沖で平年より低い見込みですが、釧路沖では平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2015年3月中旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯38.5度、東経142度付近 北緯38度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯39.5度、東経145.5度付近 北緯40度、東経146度付近
その他の親潮系冷水の位置 なし
親潮の面積(※2 平年より大きい 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 檜山沖では東経139.5度付近に北向きの流れが、留萌沖では北北東の流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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