海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成26年6月10日発表
札幌管区気象台

診断(2014年6月上旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、太平洋と日本海では平年より低い海域が縮小しました。
  • 親潮の南限位置は、沖合の分枝が北緯40.5度、東経148度付近にあります。親潮の面積は、平年よりかなり大きい状態が続いていましたが、平年並となりました。
  • 津軽暖流の東端は、平年より西の位置にあります。
  • 日本海では、檜山・津軽沖にみられる暖水域に沿った流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(6月9日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(6月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

北海道周辺では、平年では海面水温が10日間で1〜2℃上昇する時期ですが、高気圧に覆われて日射量が平年より多く、南から暖かい空気が流入した影響で、海面水温が3℃以上上昇した海域が広く見られ、太平洋と日本海では海面水温が平年より低い海域が縮小しました。

太平洋の日高沖から釧路沖にかけて平年より2℃以上低い海域が縮小しました。釧路沖と北海道東方では暖水の影響も受けて、平年より1℃以上高い海域がみられるようになりました。

日本海では留萌沖から北は海面水温が平年より低い海域が見られますが、その他の海域では平年並か平年より高くなりました。

オホーツク海 では海面水温が平年より2℃以上低い海域が縮小しましたが、平年より低い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、太平洋とオホーツク海では平年並か平年より低いでしょう。日本海では、平年並か平年より高い見込みです。

海流の実況と見通し

2014年6月上旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39度、東経143.5度付近 北緯39度、東経143度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯40.5度、東経148度付近
その他の親潮系冷水の位置 北緯38度、東経143度付近
親潮の面積(※2 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142度付近(平年より西)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 檜山・津軽沖にみられる暖水域に沿って流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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