海面水温・海流(北海道周辺海域)

平成26年4月30日発表
札幌管区気象台

診断(2014年4月下旬)

  • 北海道周辺の海面水温は、太平洋の日高沖から釧路沖にかけてと日本海の積丹半島付近から宗谷海峡にかけて平年より低い状態が続いています。
  • 親潮の面積は、平年よりかなり大きい状態が続いています。
  • 津軽暖流の東端は、平年並の位置にあります。
  • 日本海では、檜山・津軽沖にみられる暖水域に沿った流れがみられます。

北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(4月29日)
北海道周辺海域の海面水温平年差分布図(4月29日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

北海道周辺の海面水温は、平年より風が弱く日射量が多かった影響で、太平洋や日本海では沿岸寄りを中心に広い範囲で海面水温が平年より大きく上昇しましたが、太平洋の日高沖から釧路沖にかけてと日本海の積丹半島付近から宗谷海峡にかけて海面水温が平年より低い状態が続いています。特に日高沖および襟裳岬の南東沖には4月中旬に続き平年よりかなり低い海域がみられます。

一方、檜山・津軽沖では海面水温が平年より高い状態が続いています。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、北海道周辺の海面水温は、太平洋では平年より低いでしょう。日本海では積丹半島から宗谷海峡にかけては平年並か平年より低く、檜山・津軽沖では平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2014年4月下旬の北海道周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:北海道周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯38.5度、東経142.5度付近 北緯37.5度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯39.5度、東経146.5度付近 なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年よりかなり大きい 平年よりかなり大きい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142.5度付近(平年並)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 檜山・津軽沖にみられる暖水域に沿って流れがみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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