海面水温・海流(東北周辺海域)

平成30年2月20日発表
仙台管区気象台

診断(2018年2月中旬)

  • 東北周辺海域の海面水温は、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。
  • 親潮の南限位置は、沿岸寄りの分枝が北緯40度、東経144.5度付近に、沖合の分枝が北緯40度、東経146.5度付近にあります。親潮の面積は、平年よりかなり小さくなっています。
  • 対馬暖流は、北緯38.5度、東経138度付近から北に流れ、秋田沖の北緯40度付近から東に流れ、東経139.5度付近から北に流れ、北緯41度付近から東北東に流れて、津軽海峡に達しています。

東北周辺海域の海面水温平年差分布図(2月19日)
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(2月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。東北周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

本州東方の海面水温は、平年より風が強かったことや強い寒気の影響で、平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。三陸沖や東経145度以東では、下層の暖水の影響で海面水温が平年より高い海域が引き続きみられます。常磐沖では下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低い海域が引き続きみられます。

日本海の海面水温は、平年より風が強かったことや強い寒気の影響で、平年より低い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、本州東方の海面水温は平年並か平年より高いでしょう。日本海の海面水温は平年より低いでしょう。

海流の実況と見通し

2018年2月中旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:東北周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経144.5度付近 北緯40.5度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 北緯40度、東経146.5度付近 北緯39.5度、東経146度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年より小さいか、かなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142度付近(平年並)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4 北緯35.5度付近(平年より南)(経度は東経142度付近)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯40.5度、東経145.5度付近に暖水域が、三陸沖の北緯39度、東経143度付近、本州東方の北緯38度、東経145.5度付近に暖水渦が、それぞれみられる
日本海の海流 対馬暖流は、北緯38.5度、東経138度付近から北に流れ、秋田沖の北緯40度付近から東に流れ、東経139.5度付近から北に流れ、北緯41度付近から東北東に流れて、津軽海峡に達している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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