海面水温・海流(東北周辺海域)

平成28年8月31日発表
仙台管区気象台

診断(2016年8月下旬)

  • 本州東方の海面水温は、平年より2℃以上高い海域が縮小しました。日本海の海面水温は、平年よりかなり高い海域が縮小しました。
  • 親潮の南限位置は、東経148度以東に後退しています。親潮の面積は平年よりかなり小さい状態が続いています。
  • 対馬暖流は、北緯39度付近を東に流れ、酒田沖の東経139度付近から北西に流れ、津軽沖の北緯41度付近からは東に流れて、津軽海峡に達しています。

東北周辺海域の海面水温平年差分布図(8月30日)
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(8月30日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。東北周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

本州東方では、台風の通過により海面の水と下層の冷たい水がかき混ぜられた影響や平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より2℃以上高い海域は縮小しました。

日本海では、平年より風が強かった影響で、海面水温がかなり高い海域は縮小しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月、本州東方の海面水温は平年より高く、釧路沖では平年より高いか、かなり高い見込みです。日本海の海面水温は、平年より高いか、かなり高い見込みです。

海流の実況と見通し

2016年8月下旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:東北周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 東経148度以東に後退(北緯41度、東経149.5度付近) 東経148度以東に後退
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度、東経143度付近
親潮の面積(※2 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経143度付近(平年より西)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4 北緯38度付近(平年より北)(経度は東経143.5度付近)
日本の東のその他の顕著な現象 釧路沖の北緯41.5度、東経146.5度付近と、本州東方の北緯39度、東経144度付近に、暖水渦がそれぞれみられる
日本海の海流 対馬暖流は、北緯39度付近を東に流れ、酒田沖の東経139度付近から北西に流れ、津軽沖の北緯41度付近からは東に流れて、津軽海峡に達している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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